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2026.07.27

掛川・磐田・袋井で注文住宅を建てるなら知っておきたいこと 10

掛川・磐田・袋井で注文住宅を建てるなら知っておきたいこと 10

静岡県西部、掛川・磐田・袋井エリアで家づくりを考えているあなたへ。

このエリアで生まれ育った方ならよくご存知だと思います。小学校に入ると、他の県ではあまり見かけない「防災頭巾」を学校に持っていく。それがこの地域では当たり前の日常でした。

それほどまでに、地震と隣り合わせで暮らしてきた土地です。

南海トラフ巨大地震の想定震源域に位置するこのエリアで家を建てるということは、全国どこで建てるよりも「地震に対してどう備えるか」を真剣に考える必要があります。

また、地盤・気候・土地の特性など、このエリアならではの事情があります。県外の大手ハウスメーカーのカタログには載っていない、地元だからこそ知っている話をお伝えします。

■ 南海トラフと耐震性能。このエリアで「耐震等級3」をどう考えるか

掛川・磐田・袋井は、南海トラフ巨大地震の被害想定エリアに含まれています。行政のハザードマップでも、このエリアへの影響は大きいとされています。

家を建てる会社を選ぶとき、「耐震等級3です」という説明を受けることがあるかもしれません。

ただ、同じ「耐震等級3」でも、その中身は会社によって大きく異なります。

耐震性能の確認方法には、大きく2種類あります。

仕様規定
壁の量や配置などを基準に沿って確認する方法。計算が簡略化されているため、取得のハードルが低い。

許容応力度計算
建物全体にかかる力を一棟一棟詳細に計算する方法。より精緻に構造の安全性を確認できる。

南海トラフの影響が想定されるこのエリアで家を建てるなら、許容応力度計算による耐震等級3かどうかを確認することを強くおすすめします。

さらに、大きな地震は一度だけとは限りません。許容応力度計算による耐震等級3を確保した上で、繰り返しの揺れに備えて制振装置を組み合わせることも、このエリアでは有効な選択肢のひとつです。ただし制振装置にも種類があり、選び方には注意が必要です。この点については別の記事で詳しく解説しています。

「耐震等級3です」という言葉だけでなく、「どちらの方法で確認していますか?」と聞いてみることが、このエリアで家を建てる上で特に重要な一歩です。

■ 地盤改良の話。このエリアは「費用が後から増える」ことがある

掛川・磐田・袋井エリアで家を建てる際に、見落としがちな重要事項があります。それが地盤改良費用です。

地盤の強さは土地によって異なります。地盤が弱い場合、建物を支えるために地盤改良工事が必要になります。この費用は土地の購入費用とは別にかかるため、予算計画に組み込んでおく必要があります。

このエリアの地盤改良発生率と費用の目安は以下の通りです。

袋井市全域・掛川市西部
改良発生率 約90% 費用目安 100万〜250万円

掛川市中心部以東
改良発生率 約40% 費用目安 50万〜100万円

磐田市(天竜川流域を除く)
改良発生率 約40% 費用目安 50万〜100万円

磐田市天竜川流域
改良発生率 約65% 費用目安 70万〜130万円

特に袋井市全域と掛川市西部は、10軒建てると9軒で地盤改良が必要になる計算です。100万〜250万円という金額は、決して小さくありません。

土地を購入する前に、そのエリアの地盤改良発生率を確認しておくこと。そして資金計画には地盤改良費用をあらかじめ組み込んでおくことが、このエリアで後悔しない家づくりの基本です。

もう一点、見落とされがちな話をします。

地盤改良の必要性と費用は、建物の構造・重さによっても変わります。

鉄骨造・鉄筋コンクリート造の建物は、木造に比べて建物自体の重量が重くなります。重い建物を支えるには、より強固な地盤が必要になるため、同じ土地であっても鉄骨・鉄筋コンクリート系の構造は地盤改良が必要になる確率が上がり、改良費用も高くなる傾向があります。

鉄骨・鉄筋コンクリート系のハウスメーカーを検討している場合、このエリアの地盤特性と建物の重量を合わせて考えると、地盤改良費用が想定より大きくなるケースがあります。資金計画の段階で、建物の構造と地盤改良費用の関係についても確認しておくことをおすすめします。

なお、これらはあくまで目安です。実際には地盤調査を行った上で判断します。気になる土地がある場合は、購入前に地元の工務店や建築会社に相談することをおすすめします。

■ 遠州の空っ風と断熱性能。このエリアの気候に合った家とは

掛川・磐田・袋井エリアは、冬になると「遠州の空っ風」と呼ばれる強い北西風が吹きます。浜名湖から吹き抜ける乾いた冷たい風は、体感温度を大きく下げます。

この気候の特性を考えると、断熱・気密性能はこのエリアでは特に重要な要素になります。

断熱性能が低い家では、冬の冷気が室内に侵入しやすくなります。暖房をつけても部屋がなかなか温まらない、窓の周りだけ寒い、といった状況が生まれます。

一方、気密性能が高い家は、外からの冷気の侵入を防ぎます。空っ風が強い日でも、室内環境が安定しやすくなります。

断熱性能を確認する際は、UA値(外皮平均熱貫流率)という数値を聞いてみてください。数値が小さいほど断熱性能が高いことを示します。「高断熱です」という言葉だけでなく、具体的な数値で確認することが重要です。

また、断熱性能と合わせて確認したいのが窓の配置と日射の取り込み方です。遠州エリアは日照時間が比較的長い地域でもあります。冬の日射を室内に取り込む設計と、夏の日射を遮る設計を両立させることで、光熱費を抑えながら快適な室内環境をつくることができます。

■ このエリアで家を建てる会社を選ぶときの視点

掛川・磐田・袋井エリアには、大手ハウスメーカーの展示場もあれば、地元に根付いた工務店もあります。選択肢が複数あることは、良いことです。

ただ、どこで建てるにせよ、このエリアで家を建てる場合に特に確認してほしいことがあります。

耐震性能の確認方法は何か?
許容応力度計算による耐震等級3かどうか。

地盤改良費用は資金計画に含まれているか?
建物本体の見積もりとは別に、地盤改良費用が明示されているか。

断熱性能の数値を具体的に示しているか?
UA値など具体的な数値で説明できるか。

このエリアでの施工実績があるか?
地元の気候・地盤・法規制を理解した上で設計・施工できるか。

これらはどの会社に相談するときでも確認できる項目です。「答えられない」「数値は出せない」という会社は、それ自体がひとつの判断材料になります。

■ 私たちの考え方

私たちは掛川・磐田・袋井エリアでの施工実績を持つ工務店です。このエリアで家を建てることの意味を、地元の人間として理解しているつもりです。

南海トラフへの備えとして、すべての家に許容応力度計算による耐震等級3を採用しています。地盤改良についても、土地探しの段階からエリアの特性をお伝えし、資金計画に組み込んだ上でご提案しています。

断熱性能についても、遠州の空っ風に対応できる気密・断熱の水準を、数値をもって説明しています。

「なんとなく安心」ではなく、根拠を持って説明できる家づくりを、このエリアで続けています。

土地探しの段階でも、予算の整理が終わっていない段階でも、相談していただける環境を整えています。このエリアで家を建てることへの不安や疑問があれば、ぜひ一度お話しください。

■ 最後に

掛川・磐田・袋井は、地震リスク・地盤特性・気候条件という三つの要素が重なるエリアです。

これらは家を建てた後に変えることができない条件です。だからこそ、会社を選ぶ前に知っておくべきことがある。

防災頭巾を持って学校に通ったこの土地で、長く安心して暮らせる家を建てること。それがこのエリアで家づくりをする上で、最も大切な出発点だと考えています。

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