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2026.08.17

土地選びで見落とされがちな補助金とハザードマップの関係。浸水深度で実質コストが変わる話 13

土地選びで見落とされがちな補助金とハザードマップの関係。浸水深度で実質コストが変わる話 13

掛川・磐田・袋井エリアで土地を探しているとき、こんな場面に出会うことがあります。

「1,100万円の土地と1,200万円の土地、どちらにしようか迷っている。」

表示価格だけを見れば100万円の差です。ただ、建てる場所の浸水深度によっては、この2つの土地が実質的に同じコストになることがあります。

住宅の省エネ補助金とハザードマップの関係を知っているかどうかで、土地選びの判断が変わります。知らないまま土地を決めてしまうと、受け取れたはずの補助金を取り逃がすことになりかねません。

※本記事の情報は2026年6月時点のものです。浸水深度による補助金対象外の制限は2025年にも設けられており、2026年には市街化区域もこの制限の対象に加わるなど、年々強化される傾向にあります。今後もこの方向性は続くと想定されます。最新情報は住宅会社または国土交通省・経済産業省の公式サイトでご確認ください。

■ 住宅省エネ補助金とは何か

国は住宅の省エネ化を推進するため、一定の性能基準を満たした住宅を建てる際に補助金を支給する制度を設けています。2026年現在では「住宅省エネ2026キャンペーン(みらいエコ住宅2026事業)」が展開されています。

この補助金には複数の区分があり、住宅の断熱性能・省エネ性能によって受給できる金額が変わります。最大額となるのがGX志向型補助金です。

補助金の金額は住宅の性能によって決まりますが、土地の場所によって補助金自体が受け取れないケースがあります。これが今回お伝えしたい核心です。

■ 浸水深度3.0m以上の土地は補助金対象外になる

住宅省エネ2026キャンペーンでは、浸水最大想定深度が3.0m以上の場所に建てる住宅は補助金の対象外となります。

浸水最大想定深度とは、各市区町村が公表しているハザードマップに記載されている、最大規模の洪水・高潮等が発生した場合に想定される浸水の深さのことです。

掛川・磐田・袋井エリアは南海トラフ巨大地震による津波・高潮の影響が想定されるエリアです。このエリアのハザードマップを確認すると、場所によっては浸水深度3.0m以上に該当するエリアが存在します。

土地を購入する前に、その土地の浸水最大想定深度をハザードマップで確認すること。これが補助金を受け取れるかどうかを左右する重要なステップです。

■ 浸水深度で「実質コスト」が変わる具体例

ここで重要な前提を確認します。

補助金は土地に対して出るものではありません。一定の省エネ・断熱性能を満たした住宅(建物)に対して支給されるものです。ただし、建てる土地の浸水深度が3.0m以上の場合、住宅の性能がいくら高くても補助金の対象外となります。つまり、土地の場所が補助金受給の可否を左右するということです。

また、補助金には国の予算枠があります。申請時期によっては予算が終了している場合もあり、受給が確実に保証されるものではありません。補助金を前提とした資金計画は危険です。必ず住宅会社と相談しながら、受給できるかどうかを確認した上で進めてください。

以上を踏まえた上で、補助金が受給できた場合の実質コストの考え方をご説明します。仮に補助金が100万円受給できる場合を想定します。

1,200万円の土地(浸水深度3.0m未満・補助金対象エリア)
高性能住宅を建て補助金100万円を受給できた場合、建物を含めた総コストから100万円が戻ってくる計算になります。土地の実質的な負担感は1,100万円相当と考えることもできます。

1,100万円の土地(浸水深度3.0m以上・補助金対象外エリア)
同じ高性能住宅を建てても補助金が受給できないため、土地の負担は1,100万円のまま。前者と実質的な差がなくなります。

この場合、同じ実質負担であれば、浸水深度が低い(安全性の高い)1,200万円の土地を選ぶ方が合理的と考えられます。

では900万円の土地(浸水深度3.0m以上・補助金対象外)はどうでしょうか。

この場合の土地負担は900万円です。1,200万円の土地で補助金を受給した場合の実質負担1,100万円より200万円安くなります。防災上のリスクを許容できるのであれば、コスト面では有利な選択になるケースもあります。

土地の表示価格だけでなく、補助金の有無を加味した実質コストで比較する視点を持つこと。ただしあくまでも補助金は「受給できた場合の想定」として捉え、確定した金額として資金計画に組み込まないよう注意してください。

■ 補助金額は住宅の性能によって変わる

先ほどの例では「補助金100万円」と仮定しましたが、実際の補助金額は建てる住宅の性能によって異なります。

性能が高いほど補助金額も大きくなるため、高性能な住宅を建てる場合ほど、浸水深度による補助金対象外のダメージが大きくなります。

GX志向型補助金のような最大区分の補助金を受給できる性能の住宅を建てる場合、補助金対象外の土地を選ぶことで失う金額は相当大きくなります。

また、補助金の制度内容・金額・対象条件は年度ごとに変わります。建築時期によって受給できる補助金の内容が変わるため、土地を決める段階で住宅会社と一緒に「いくら受給できるか」を確認しておくことが重要です。

■ ハザードマップの確認方法

浸水最大想定深度は、各市のハザードマップで確認できます。

掛川市:掛川市防災マップ(掛川市公式サイト)
磐田市:磐田市洪水ハザードマップ(磐田市公式サイト)
袋井市:袋井市総合ハザードマップ(袋井市公式サイト)

確認する際は「洪水浸水想定区域図」と「高潮浸水想定区域図」の両方を確認してください。南海トラフ巨大地震が発生した場合、洪水と高潮の両方の影響が想定されるためです。

ハザードマップの見方や、気になる土地の浸水深度の確認方法については、お気軽にご相談ください。

■ 私たちの考え方

私たちは土地探しの段階からご相談を受けています。気になる土地が見つかった際には、ハザードマップの確認・浸水深度の把握・補助金の受給可否の確認を一緒に行います。

また、私たちが建てる住宅は、補助金の中でも最大額となるGX志向型補助金をほぼ標準の性能でクリアできる水準にあります。つまり、補助金対象となる土地を選んでいただければ、最大限の補助金を受給できる可能性が高いということです。

「この土地は補助金が出るのか」「どの土地が実質的にお得なのか」といった疑問は、土地を決める前にぜひ一度ご相談ください。数字を整理した上で、一緒に判断します。

■ 最後に

土地選びは「表示価格」だけで判断してはいけない、という話をしてきました。

地盤改良費用などの諸費用(詳しくはこちらの記事)に加え、補助金の受給可否もコストに影響します。

・浸水深度3.0m未満 → 補助金対象の可能性あり
・浸水深度3.0m以上 → 補助金対象外

この一点を知っているだけで、土地の比較の仕方が変わります。「安い土地が本当に安いとは限らない」という視点を持って、土地探しを進めてください。

※本記事の情報は2026年6月時点のものです。浸水深度による補助金対象外の制限は2025年にも設けられており、2026年には市街化区域もこの制限の対象に加わるなど、年々強化される傾向にあります。今後もこの方向性は続くと想定されます。最新情報は住宅会社または国土交通省・経済産業省の公式サイトでご確認ください。

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